会社概要
社名 | 株式会社はしばコーポレーション |
所在地 | 〒396-0025 長野県伊那市荒井21 |
代表者 | 八木択真 |
創業 | 2013年10月 |
資本金 | 5,000,000円 |
従業員数 | 44名(2024年4月現在) |
沿革
2013年10月 | 長野県伊那市の中心部で、築約80年の歯科医院「橋場歯科」をセルフリノベした「酒とかふぇ はしば」を開店 |
2014年8月 | 代表・八木を中心に、地域活性化団体「アスタルプロジェクト」設立。伊那谷の魅力を凝縮したイベント「YAMA.FES」などの取り組みが始まる |
2015年~ | 伊那谷のリンゴを活用したシードル醸造や、シードルとクラフトビールのイベント「泡フェス」、日本酒イベント「伊那街道呑みあるき」等の運営に関わる |
2018年5月 | 伊那市駅前の空き店舗群を再生する「アルプス横丁」プロジェクト始動 |
2018年11月 | アルプス横丁に「ビストロなかしょく」開店(2020年に独立) |
2019年3月 | 法人化し、「株式会社はしばコーポレーション」設立 |
2019年5月 | アルプス横丁に「串カツじゃんじゃか」開店 |
2020年4月 | コロナ禍を乗り越えるため、地域の飲食店と連携した「伊那谷テイクアウトマーケット」の運営を開始 |
2021年7月 | 創業40年の老舗居酒屋「酒蔵まりん」が合流 |
2022年2月 | コロナ禍で廃業した伊那市駅前の「島田屋ホテル」を再生、運営開始 |
2023年4月 | 伊那市駅前に「信州伊那まち アルプス食堂」開店 |
2024年2月 | 上諏訪駅前に「信州上諏訪まち アルプス食堂」開店 |
2024年4月 | 松本駅前に「信州松本 アルプス食堂」開店 |
創業ストーリー
株式会社はしばコーポレーション 八木択真
最初は、おでんと日本酒と瓶ビールしかない店でした。9年間働いた新聞社を辞めて、人口7万人弱の長野県伊那市という街の中心部で、エイヤー!!で始めた小さな居酒屋。飲食店の経験もないのに、無謀でしたね(笑)
元々は大阪出身で、砂漠の緑化がやりたくて信州大農学部に入りました。はじめての自由な一人暮らしで、すぐに学校には行かなくなり、伊那の街で飲んでばかりのダメ学生に(笑)。
でも、地元の仲間がたくさんできて、伊那が故郷になっていったんです。大阪の巨大なニュータウン育ちだったから、地方の小さな街の人間関係の濃さが心地よくて。
卒業して新聞社に入ってからも、伊那にはしょっちゅう帰ってました。
新聞記者の仕事は、おもしろくてやりがいもあった。でも、いつかは長野に戻ろうかな…という感覚はありました。それが早まったきっかけは、東日本大震災の被災地取材。
発生翌朝から被災地に入って、1か月、3か月、半年、1年…と節目ごとに現地に行かせてもらった。津波で何もかも流されてしまったのに、「それでも俺はここで生きていくんだ」と立ち上がっていく人たちを見ていて、なんだかうらやましくなったんです。ずっと根無し草だったけど、自分もどこかに根を張って生きていきたい-と。
「伊那に戻ろうかな。でも、戻って何しよう」と考えながら、とりあえず住む家でも探してみようと思ってネットで不動産情報を見始めたら、今のウチの本店がある「橋場歯科医院」が売りに出ていたんです。大正13年の建物で、レトロですごくかわいくて。
記者時代に、都会の古い小さな建物がセンス良くお店にリノベーションされて、若者が集まって街が元気になっていく-という例をたくさん見ていたので、「これだ!!」と思いました。すぐに持ち主さんに「僕に譲ってください」と熱い手紙を書いて、会社に退職届を出して、風呂もない建物に住み込んで、仲間と一緒に改装を始めました。ガスの配管と電気工事以外は、気合で全部自分でやりました。
料理の経験もなくて、仲の良かった料理人さんに「おでんなら、仕込みはめんどくさいけど営業中は楽だよ」と教えてもらって、出汁とかけっこう研究して。新聞社時代に全国で飲み歩いてたから、少しずつ酒飲みが好きそうなツマミをそろえていって、お客さんも増えていきました。
こんな始まり方だったから、「商売」というよりは「まちづくり」みたいな感覚でしたね。超どんぶり経営で(笑)。それでもなんとかなったのは、いろんな人に支えてもらったから。すごく感謝してます。
それから丸9年、本当にいろんなことがありました。
伊那谷って、日本で3つしかないアルプスの2つに囲まれていて、すごく恵まれた地域なんですよ。おいしい農産物とかお酒とか、素晴らしい素材もいっぱいある。でも、なかなか活用できてなくて、人も店も減っていく…
それを何とかしたくて、伊那の市政に関わったり、仲間と一緒に地域活性の団体をつくっていろんなイベントを企画したり、地域に人とお金を呼び込むためにいろんな角度からチャレンジしてみました。街を楽しくするために、いろんな業種の店を立ち上げました。そんな中のコロナ禍で、大変な思いもしました。
そして、ひとつの結論として、「人を呼び込むことが難しいなら、自分たちが出て行って伊那谷のいいものを流通させよう」と考えるようになったんです。
これからは、信州の魅力を凝縮した業態で、東京を手始めに全国に展開していこうと思っています。信州の広告塔として、あちこちに「アルプス」の暖簾を出す。そして、信州の美味しいものを皆さんに届けて、農家さんや酒蔵さんや、食を支えてくれている方々の思いを伝えたい。そして、地方を元気にしたい。
まあ、そんな真面目なことを言ってるけど、結局はお酒と美味しいものが好きなだけかも(笑)
お酒と、お酒を出してくれる店には、本当に助けられて生きてきたから。そんな、ほっとひと息つける、元気が出る空間を作るのが、きっと好きなんでしょうね。
株式会社はしばコーポレーション 代表取締役 八木択真
1978年生まれ。信州大農学部卒。産経新聞社を経て、2013年に退職し「はしば」創業
ブログ「アルプスをつなぐ街から~八木たくま日記」 https://yagitakuma.exblog.jp/